第1章で、つみたてNISAとNISA、iDeCoについてご紹介しました。
同じNISAでも、つみたてNISAとNISAは性質が異なります。
ここでは、つみたてNISAについて詳しく説明していきましょう。
少額から始められるつみたてNISA
つみたてNISAの一番のメリットは「少額投資」ができるということです。
少額とはいっても、1年間に最大40万円までは投資できます。
つみたてNISAの上限額は、月にすると33,000円ほどですが、家庭を持ったサラリーマンが月に33,000円を投資するのは結構大変なことだと思いませんか?
家族を養っていくうえで、必要経費を除いて33,000円を毎月つみたてNISAに投資していける人は実際少ないと思います。
つみたてNISAは上限が1年間に40万円ですが、月に10,000円でも5,000円でもいいのでできる範囲で積み立てていけるのが魅力です。
毎月10,000円なら飲み会を2回我慢すれば貯められますよね。
また、投資とはいっても金融庁が厳選した比較的安全な投資信託を選べるので元本割れする可能性は低くなります。
低リスクで利益を見込めるつみたてNISAは初心者にとてもおすすめです。
NISAは1年間に120万円の上限額で投資することができますが、つみたてNISAと違って5年間で利益をださなければならないので、少なからず投資の知識が必要になります。
銘柄もつみたてNISAからすると多くの銘柄を選択できるようになりますが、つみたてNISAよりもハイリスクな商品も多く、素人が投資するには重荷があるように感じます。
私は投資を15年ほどしていますが、経験があるからこそ株の取り引きのタイミングを見極めることができます。なので、初心者がNISAに手を出してしまうと、元本割れになった時に焦ってマイナス決済をして他の銘柄に手をだしその銘柄も元本割れになって焦ってマイナス決済して・・・を繰り返し、貯蓄のための資金をどんどん減らしてしまうということになりかねません。そういう人を私は何度も見てきました。
NISAが絶対にダメというわけではないのですが、素人が運用利益目当てに気軽に始められるものではないということを頭に入れておきましょう。
その点、つみたてNISAは1年間に40万円という投資額で、投資できる商品も金融庁が選んだ投資信託のみ。比較的安全だし、投資金額も月にすると33,000円程度なので元本割れリスクも少なく、仮に元本割れをしたとしてもNISAほどの痛手は負わないということになります。
非課税期間が最大20年間
少額から投資できるのもつみたてNISAの魅力ですが、運用利益が20年間非課税だということもつみたてNISAの魅力の一つです。
20年間非課税ということは20年間という長いスパンで資金運用を考えることができます。
NISAは最大5年間という非課税期間なので、5年間で運用利益を確定しなければならず、5年間で利益を出す銘柄に投資しなければなりません。5年って経済状況でいうと結構短いんです。その間に利益を出す銘柄を見極めることを投資初心者ができるはずもありません。
口コミやお勧め銘柄を選び、それが暴落して大損失という結果になることは多々あります。
つみたてNISAの20年間はそのリスクを小さくすることもできるし回避することもできます。つみたてNISAに加入している20年間はいつでも解約ができます。
なので、運用している間に利益が出ればその場で決済することもできるし、長期にわたって利益を積み重ねていくこともできます。20年間あれば、経済の浮き沈みはあっても必ずプラスになるときがあります。
いろんな方法で利益を確定させることができるので、初心者でもリスクが少ないです。
銘柄も比較的安全なのでどれを選んでも大きく損をするということはないでしょう。
資金管理の重要性
投資をするときに重要なのが資金管理をしっかりしておくことです。
つみたてNISAもNISAもお金を貯金していくのですが、実際は資金運用で投資しているので元本割れのリスクを考えておかなければなりません。
NISAで1年間に120万円を5年間投資すると600万円ですが、つみたてNISAで1年間に4万円を5年間投資すると20万円です。
5年後に10%株価が下落したとすると、NISAで投資していた600万円のうち60万円損失が出て受け取りが540万円になってしまいます。これがつみたてNISAの20万円だと損失は2万円にとどまります。
損失が60万円と2万円では大きな違いですよね。
投資初心者は特に、メンタル面が鍛えられていないので、損失が出ると損失を取り戻そうとさらに投資を繰り返し、損失を拡大させてしまう傾向にあります。
大きな額を投資すると大きく損をする可能性もあるので、損失も考えたうえでの取引が必要です。
つみたてNISAは少額から投資できるので損失額も少額で抑えられるだけではなく、投資できる銘柄も安全な商品なので、投資初心者が陥りやすい負のスパイラルに巻き込まれることがなくなります。
以上のことから、投資初心者にはつみたてNISAが最適だといえます。
どの金融機関でつみたてNISAを始めたらいいのか
つみたてNISAを始めるときは、つみたてNISAのための証券口座を開設しなければなりません。
つみたてNISAを取り扱っているところは非常にたくさんあります。証券会社だけでなく、銀行でも信用金庫でも取り扱っているところはあります。
「つみたてNISAを始めるならどこの口座を開設しても同じだろう」と思いがちですが、実は違います。
つみたてNISAを始めるときは口座選びも重要なんです。
なぜかというと、口座を開設することによって得られる特典があるからです。
ここで私がおすすめしたいつみたてNISAの口座を開設する証券会社を2つご紹介します。
①楽天証券
楽天はネットショッピングや野球チームでもなじみがあると思いますが、楽天証券は楽天グループの一つです。
楽天証券では、楽天証券口座を開設してつみたてNISAの引き落としを楽天クレジットカードで決済するとポイントがもらえます。
100円につき1ポイントがもらえるので、つみたてNISAで月3万円を楽天クレジットカードからの引き落としにしておくと300ポイントが毎月もらえることになります。
通常クレジットカードは買い物した時に買い物した金額の数%がポイントとしてもらえるということはご存知かと思いますが、楽天証券の場合、つみたてNISAでお金を投資することにもポイントが付与されるのです。
銀行に3万円預けたら300ポイントもらえたという何ともお得な特典ですよね。
つみたてNISAの1年間の上限40万円を楽天証券のつみたてNISAで投資すれば、1年間に4000ポイントももらえることになります。
運用利益なしでもこれだけお得になれば、つみたてNISAにするメリットは十分だと思います。
つみたてNISAで貯まったポイントは、ネットショッピングの楽天市場で使えたり、楽天Payにも利用できるほか、投資信託を購入する資金としても使うことができます。
年間4000ポイントを再投資に回して更なる運用利益を狙うこともできます。
楽天証券では、つみたてNISAで購入できる商品が1口100円から投資できるので、初心者にも非常に入りやすい仕組みになっています。
日々の買い物でおつり貯金をしている人は、ぜひ楽天証券のつみたてNISAでおつり投資をしてみてはいかがでしょうか。
楽天クレジットカードや楽天口座、楽天証券口座は専業主婦やアルバイトでも比較的作りやすいので、まずは口座開設から始めましょう。
②SBI証券
[cc id=746]SBI証券って名前は聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
SBI証券は大手証券会社の一つですが、SBI証券も、ポイント還元を行っています。
SBI証券の還元ポイントはTポイントになります。
Tポイントは多くの加盟店があるので利用しやすいメリットがあります。
SBI証券では投信マイレージという制度を導入しており、SBI証券のつみたてNISA口座に保有している残高に対してTポイントを付与しています。
なので、つみたてNISAを始めたころは証券口座に残高が少ないため、Tポイントの付与率は少ないですが、毎月積み立てていき、残高が増えていくに従って付与されるTポイントの数も多くなります。
TポイントはTポイント加盟店での買い物に使えるほか、SBI証券の特定口座で投資信託を購入するときの買い付け資金として利用することができます。
[cc id=745]楽天証券、SBI証券ともに、ポイント還元をしている点ではおすすめなので、証券会社の口座に迷ったときはこちらの口座を開設するといいでしょう。
SBI証券のポイント還元率は保有残高に対し0.05%という還元率に対し、楽天証券は買い付け額の1%を還元してくれることから、ポイント還元率の観点から見ると楽天証券が圧倒的におすすめです。
楽天市場で買い物しない、ポイントの使い道がない人でも、ポイントの再投資ができるので、文句なしに楽天証券がお得だといえます。
つみたてNISAについて、詳しくご紹介してきました。
初心者におすすめな理由、よくわかったと思います。
次の章では複利の効果という投資の考え方をご紹介します。