第1章 NISAとiDeCoって何?NISAとつみたてNISAはどう違うの?

第1章 NISAとiDeCoって何?NISAとつみたてNISAはどう違うの? NISA・つみたてNISA・iDeCo

将来の老後資金のこと、考えたことはありますか?

今の年金では将来本当にもらえるかわかりませんよね。

自分で老後のための資金を貯めていかなければ、将来安心して老後を迎えることができない時代になってきました。

そこで、将来のための資金作りに有効な手段としてご紹介するのがNISAiDeCoです。

どんなものなのか、これから詳しくご紹介していきますね。

つみたてNISAとは

計画的に貯蓄

つみたてNISAは、少額から積み立て投資ができる非課税制度です。

年間40万円という上限があり、年間40万円までなら積立金額を自分で自由に設定することができます。

積み立てと聞くと、銀行に預金するイメージがあると思うのですが、実際は「投資」になります。

つみたてNISAで毎月自分が設定した金額で投資信託を購入します。そして、利益を重ねていき、解約した時にその時の保有額を受け取れる仕組みです。

株や投資信託をしている人にはなじみがあると思いますが、預けたお金を運用していくのです。

つみたてNISAが通常の株や投資信託と違うところは、投資したお金に利益が出た時に、その運用利益が非課税になることです。

通常の株や投資信託では利益に対して20%ほど税金が取られるのに対し、つみたてNISAでは全く税金がかかりません。しかも、その非課税期間が最長20年という嬉しい制度です。

1年間に最大40万円を20年間積み立てしていけば、800万円投資することになりますが、その運用利益はずっと非課税なのです。

「投資って株の大暴落とか聞くから不安」と思っている人もいるでしょうが、つみたてNISAで取り扱っている商品は、金融庁による厳しい基準をクリアしている比較的安全なものです。

金融庁によって厳選されているので、選択できる商品は通常の投資信託よりは少ないですが、膨大な銘柄から選ぶのもとても困難なものです。その点、厳選されている上に選択肢が絞られていると銘柄も選びやすいですよね。

また、1つの銘柄にだけ投資するのではなくいくつかの銘柄に分散投資もできるので、予算に合わせていろんな商品に投資することができます。1年間に最大40万円だと、月に約33,000円まで投資できるので、気になる銘柄に分散投資していきましょう。

必ず33,000円投資する必要はなく、月に3000円という少額でも積み立てができるので、初心者にも始めやすいものです。

つみたてNISAは、毎月一定の金額を投資していくことで運用利益が期待できるものですが、元本割れをする可能性があります。

例えば、毎月30,000円積み立てていき5年間で解約しようとしたときに、5年間で預けた180万円がそのまま受け取れるかというとそうではなく、場合によっては180万円を下回る可能性があるのです。

それは、実際運用しているので、解約したタイミングに投資信託の基準価額が下がっていると受け取れる金額が投資した金額よりも低くなる可能性があります。

元本割れリスクは、通常の株や投資信託でも同じことが言えます。ただ、世界経済は浮き沈みはあれ、確実に右肩上がりになっているので将来的に元本割れになるリスクは非常に少ないといえます。しかも、金融庁が設けた厳しい基準をクリアしている銘柄を取り揃えているので、そのリスクはさらに低いものになると考えていいでしょう。

銀行に預けていても「マイナス金利」といわれている現代、そのうち銀行に預け入れていてもマイナスになる可能性があります。

同じリスクを負うのであれば、より運用利益が期待できるつみたてNISAに預けることをおすすめします。

毎年最大40万円積み立てていくことができるつみたてNISAですが、途中で預け入れる金額の変更もすることが可能です。

今年は30万円までしたけど来年は20万円に減らしたい、逆に今年は30万円までして来年は40万円積み立てようということも可能です。

ただ、今年30万円しかできなかったから来年は50万円積み立てようという積み立て余剰金の繰越はできません。あくまでも1年間に40万円までということを頭に入れておきましょう。

また、「損益通算」といって、通常の投資信託口座を開設している人が、つみたてNISAの運用損益と一般の投資信託口座で出た運用損益の相殺はできませんので、つみたてNISAとは区別しておく必要があります。

NISAとは

NISA

NISAもつみたてNISA同様、積み立て投資ができる非課税制度です。

つみたてNISAの場合は年間最大40万円までという枠がありますが、NISAは年間120万円まで投資ができます。年間120万円というと月に10万円も投資することができるわけです。

つみたてNISAでは、最大20年間運用利益が非課税になりますが、NISAは最大5年間運用利益が非課税です。

1年間に投資できる枠は大きいですが5年間という非課税枠から考えると、600万円までしか非課税にならないので金額面からするとつみたてNISAの方がいいような気がしますよね。

NISAは短期間に大きい金額を投資できる分、短期間で利益を得ることが可能です。

また、取り扱っている商品も投資信託だけでなく、国内外の株式や国内REITも取り扱っているので投資に詳しい人であればNISAに魅力を感じることでしょう。

通常の投資信託をしている人なら、NISAにしたほうが運用利益が非課税になるのでNISAで運用することをおすすめします。

ただ、NISAは取り扱う商品がつみたてNISAに比べるとリスクが大きいものも存在するので注意が必要です。

投資初心者が運用利益に目がくらみNISAを選んでしまって、運用期限の5年間で一度も利益が出ることなく満期で受け取った金額が投資金額を大幅に下回っていたという事例は少なくありません。

長期的にみると世界経済は活性化してきていますが、5年間でそれを見極めるのは経験が必要です。

NISAとつみたてNISAは併用することができないので、投資に関して理解していない人はつみたてNISAを選択しましょう。

余談ですが、NISAにはもう一つ「ジュニアNISA」というものがあります。満20歳未満の人が利用でき、年間最大80万円まで5年間運用することができます。

ただし、満18歳を迎えるまでは解約することができないので、学資保険等に利用したいという人は金融機関で詳しく聞いてみるといいでしょう。

iDeCoとは

iDeCo

iDeCoはイデコと読みますが、個人型確定拠出年金といって、個人年金制度です。

つみたてNISAと同じように毎月決まった金額を積み立てていきます。

つみたてNISANISA同様、投資というところは変わりません。

iDeCoも自分が選ぶ銘柄に投資していく方法です。

iDeCoの魅力は、掛け金そのものも非課税になります。将来年金として受け取れるお金を積み立てるとその積み立てた金額が非課税になるのは嬉しいですよね。

掛け金だけでなく、運用利益ももちろん非課税になるのでNISAやつみたてNISAよりも節税対策に向いており、税金を少なくしたい人にはおすすめの制度だといえます。

つみたてNISAには年間最大40万円、NISAには年間最大120万円の上限がありますが、iDeCoは職業によって上限額が決まっています。

公務員や企業年金がある会社員は月12,000円、企業年金がない会社員と専業主婦は月23,000円、自営業者は月68,000円まで積み立てることができます。

自営業の人にはとても魅力的な制度ですよね。

iDeCoは掛け金も運用利益も非課税になるとても嬉しい制度ですが、個人年金制度なので、受け取れる年齢が60歳という決まりがあります。

60歳にならないと受け取れないため、途中でお金が必要になっても解約ができないという問題があります。

また、「今55歳だから5年間貯めればいいや」と思っても、最低預入期間が10年という決まりがありますので、55歳から始めると早くても65歳にならないと受け取れません。

年齢や運用期間をしっかりと理解しておきましょう。

つみたてNISANISAはいつでも解約できるので、気軽に始めることができますが、iDeCo60歳になるまではお金が受け取れないので、将来の老後資金として貯め続けていけるお金を運用するようにしましょう。

将来受け取れるのが、年金の他にiDeCoがあると考えただけでも老後の不安は軽減されると思います。

2章ではつみたてNISAについて詳しくご紹介してきます。

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