戦争を元に、少ない兵士を率いる小さな軍隊が多くの兵士を率いる大きな軍隊にいかにして勝利するかということを解説しているランチェスター戦略。
この手法が、ビジネス界でもとても有効だと多くの企業が活用しています。
大きな企業に勝つため、個人事業主や中小企業に向けた戦略として注目されています。
ランチェスター戦略はいろんな方法があるのですが、ここでは「一騎打ち」についてご紹介していきたいと思います。
この一騎打ちはこれから新規で事業を展開していこうとしている人にとても効果的な方法なので、新規事業を考えている人はしっかり頭に入れておきましょう。
「一騎打ち」とはどんな戦略?
戦いを挑むときに、多くの兵士が待っている場所よりもより少ない兵士がいるところを狙いますよね。
自分一人で攻めていくのであれば、相手が少ないほうが勝率は上がります。
「一騎打ち」とは、1対1の戦いを意味し、自分一人で多くの相手に戦いを挑むのではなく一人の相手と戦うということです。
ビジネスの世界でも、自分が商品やサービスを提供するときに同じ商品やサービスを提供している企業があるはずです。
競合する企業が多ければ多いほど勝率は少なくなりますし、少なければ少ないほど勝率は上がります。
一騎打ちの戦略は、勝つか負けるかの二択しかありません。
相手が強ければ負けると思いがちですが、一騎打ちの場合は相手が強くても勝利できる可能性がたくさんあるのです。
例えば、全国チェーンを展開してる企業が出店している店舗が相手だったとしましょう。
その場所で競合相手がその店舗だけだったとしても、バックに大きな企業があるからとてもかなわないと思いがちです。
しかし、たとえ全国展開している店舗だったとしてもその場所に一店舗しかないので、その店舗を相手に戦えばいいのです。
その店舗よりも品質やサービス面で顧客に魅力を感じさせるものが自分にできれば、必然的にその店舗に勝つことができるのです。
競合する相手が少ないと、どうすれば、相手に勝てるのかという戦略も立てやすく、新規参入ととても相性がいいのです。
「一騎打ち」を実践する方法とは?
どんな相手でも、1対1の戦いになれば勝率が上がることはお分かりいただけたと思います。一騎打ちを実践するために、どんな方法で進めていけばいいのかをこれからご説明していきます。
事前準備
これから新規事業を展開していこうと思ったとき、何を武器に展開していくかというものが必要ですよね。
あなたがどんな商品を販売するのか、どんなサービスを提供するのかという「何か」を決めていかなければなりません。
武器は必要ですが、なんでもいいというわけではありません。
戦いに挑むのに、スコップを持っていっても役に立ちませんよね。
戦うなら銃か刀などが必要です。
できれば、あなたがこれなら売れると思えるような強みを持っているものを展開していきましょう。
自己分析をすることで、自分が何を顧客に提供していきたいのか、どんなことが強みになっているのかを知ることができます。全く興味関心のないものよりも、自分自身の知識や技術に変わるようなものを見つけていきましょう。
あなたが提供する商品やサービスが決まったら、今度はどこで展開していくのかを決めていきます。
「戦場」選びもとても重要です。ここではランチェスター戦略の「一騎打ち」をしっかりと意識して行いましょう。
あなたが提供したい商品やサービスと同じようなものを展開している企業が、どれくらいあるのかを調査していきます。
あなたが展開したいと思っているエリアに競合他社がたくさん存在していたら、とりあえずそこは諦めて他を探しましょう。
できるだけ少ないエリアに絞っていきます。その時に、企業の大きい小さいは関係なく、商戦エリアに競合他社が少ない地域に限定していきます。
背後から一気に攻め込む
あなたが提供する商品やサービスを展開していく場所が決まったら、競合他社に気づかれないように出店の準備を進めていきましょう。
いくら一騎打ちとはいえ、強い相手に真正面から戦いを挑むのは無謀すぎます。相手は、このエリアでナンバー1を獲得しているいわゆる王様なので、なるべく秘かに近づいていきます。
いざ出店になった時は、顧客や競合相手にも目立つように派手に演出をしていきましょう。
まずは自分の商品やサービスを顧客に印象付けるために、開店サービスと称して割引や特典を付けて利用客を集めていきます。
顧客が今まで利用していた店舗から、自分の店に惹きつけることができれば一騎打ちは大成功です。
競合相手に「一騎打ち」を挑むメリット
一騎打ちでは、これまでそのエリアで展開していた企業に戦いを挑むわけですが、新規事業の方が優位に立てるメリットがあるのです。
競合相手がたとえ大きな企業であっても、勝利できる理由をご紹介していきます。
競合相手との差をつける
今までエリア内で展開していた企業は、競合相手がいなかったことで怠慢になっている可能性があります。
顧客もこのエリアで利用できる店がここしかないため、仕方なく通っていたことでしょう。
そこに新しい店舗がオープンすれば、顧客も今までと違う新鮮な気持ちになれる新規の店に流れてきやすくなります。
今までに利用していた店にはなかったものがあるかもしれないという期待から、顧客が一気に流れてくることが想定できます。
新規オープンした時に、流れてきた顧客をしっかりとつなぎとめるために、競合他社とは違う品質やサービスを展開していけるかが鍵となります。
そこは、事前準備で競合他社の特徴や強みを調査して分析しているはずなので問題ありません。
しっかりとした対策を取ったうえで展開しているので、固定客がつきやすくなります。
今までの店舗にはなかった商品セレクトやサービス展開で、顧客の気持ちは確実に獲得できるでしょう。
顧客を満足させることができる
競合他社についてはしっかり分析して、他にはない強みを持って展開しているので、顧客が今まで不満に思っていたことや希望するサービスを提供することができているはずです。
なので、顧客はこの店に来ることで今までの不満がすべて解消できているでしょう。
さらに、競合相手にはできなかった顧客のニーズをもっと引き出して答えてあげることで、大きく発展していくことができます。
さいごに
これから新規事業を展開していこうと思っている人は、ランチェスター戦略の一騎打ちはとても有効な手段です。
ぜひ活用して、事業拡大を狙っていきましょう。