ランチェスター戦略は、もともと第一次世界大戦をきっかけに生まれた戦力について書かれたものですが、これがビジネスの上で非常に役に立つと話題になっています。
戦ううえで、同じ武器を持っているなら人数が多いほうが勝利します。
これをビジネスに例えると、同じ商法で戦うならより大きい企業の方が有利ということです。
なぜなら、大企業の方が中小企業に比べると従業員数は大企業の方が多いからです。
では、従業員数の多い大企業に中小企業は勝てないのでしょうか?いえ、そうではありません。
中小企業にも大企業に勝てる策があります。それをランチェスター戦略で教えてくれています。
では、どうやって中小企業が大企業に勝利することができるのか、ランチェスター戦略の一点突破を参考にしながらビジネスで役立てる手法をご紹介いたします。
ランチェスター戦略「一点突破」から学ぶビジネス戦略とは
ランチェスター戦略では、1000名の兵士がいるA軍と100名の兵士がいるB軍が戦うと、当然兵士の数が多いA軍が勝利します。
それは、全員が戦える広い領域ですべての兵士が戦っているからです。
では、兵士の少ないB軍が勝利するためにどうしたらいいかというと、少人数でしか戦えない狭い領域で戦うのです。
そうすることで、お互いの兵士の数が同じになりB軍が勝利する確率が上がるというものです。
これをビジネスの世界に例えると、A軍は従業員数の多い大企業であり、B軍は従業員数の少ない中小企業ということになります。
中小企業が大企業に勝利するためには、大きな領域で勝負するのではなく、小さいニッチな領域で勝負することで勝率を上げていくということです。
総合戦ではなく、局地戦での戦いで一点突破を狙うというのがランチェスター戦略の戦法です。
中小企業が狙う「一点突破」の3つの方法
ランチェスター戦略の一点突破の考え方を利用して、中小企業が大企業に勝利できるということはお分かりいただけたと思います。
では、どのようにして一点突破を狙っていくのか具体的に3つの方法をご紹介していきます。
①専門性を高める
ランチェスター戦略で冒頭に兵士の数で勝利が決まるのは、より広い領域で戦いをするからだとお話ししました。ビジネスでいろんな分野で活躍しようと思えば、より人数の多い大企業が非常に有利になります。
中小企業がここで立ち向かうためには、戦いの場を狭める必要があります。
ビジネスで戦いの場を狭くするためには、より専門性に特化した分野で戦わなければなりません。
例えば最近でもよく目にしますが「わたがし専門店」「アイスクリーム専門店」など、あるものに特化して専門性を高めたもので勝負します。
アイスクリームとはいっても、バニラ、チョコ、ストロベリー、チョコチップなど、アイスクリームの商品数はいくらでも増やすことができます。
アイスクリームという専門性に特化して、その中で他にはない商品開発をすることで大企業に勝利できる要素を作っていくのです。
たとえあなたが一人で会社を立ち上げようと考えていても、この一点突破の考え方を知っていればどんな会社を立ち上げればいいのかわかるはずです。
②年齢層を限定する
ランチェスター戦略で、狭い場所で戦うためにビジネスにおいて専門性を高める方法がありますが、専門性を高めつつ、誰に向けたものなのかという対象を限定するとより質を高めることができます。
例えば美容室を開業すると想定した時に、性別や年齢層だけでもお店の内装やコンセプトが変わってくると思います。
女性で40代以降のシニア層を対象にしたお店だと落ち着きのあるリッチな雰囲気がいいでしょうし、同じ女性でも20代の若者を対象にすると華やかで流行性のある方が人気が出るでしょう。
幅広い人物を想定するより、より限定した人に向けての方が固定客もつくでしょうし、大きなところに差をつけることができます。
③立地を考える
中小企業が大企業に勝つためには、大企業と同じところに同じサービスを展開しないということです。
店舗を展開しようと考えた時、やはり居住者数の多い都会の方がより多くの人を集客できると考えがちですが、そのような都会にはすでに大企業が根を張っています。
そんなところで勝負しようとしても、よほどの強みがない限り勝利を勝ち取ることはできません。
それなら、大企業がまだ開拓していない少し田舎でも需要がありそうなところで展開したほうがいいです。
今は日本のサービスが海外に人気があることもあって、個人出店でも思い切って海外で出店することで成功を収めている人もたくさんいますので、日本という枠にとらわれない考え方を身につけましょう。
さいごに
戦いについて述べているランチェスター戦略ですが、ビジネスの上でもとても参考になることがお分かりいただけたと思います。
ビジネス商戦で大企業に打ち勝つためにも、中小企業ならではの戦略をアイデアを生かしてビジネス界で成功していきましょう。