中小企業が大企業になりえた秘策はランチェスター戦略にあった!

世界大戦を元に、小さな軍隊が大きな軍隊に勝つための戦略を書いたものがランチェスター戦略です。

このランチェスター戦略をビジネスに活かした方法が、今話題になっています。

ランチェスター戦略は、個人事業主や中小企業が大企業に打ち勝つための戦略方法を教えてくれているものですが、実はあの有名な大企業もランチェスター戦略を活かすことでその名を有名にしていたのです。

誰もが知っているであろう遊戯施設「ハウステンボス」とビジネスホテルで有名な「アパホテル」、コンビニエンスストアでトップクラスの売り上げを誇る「セブンイレブン」。

この3社は今や大手企業にのし上がっていますが、実はランチェスター戦略を活かすことで有名になった企業なんです。

ここでは、この3社が具体的にどのような戦略を立ててきたのかをご紹介していきます。

長崎で有名な観光スポット「ハウステンボス」

ハウステンボス※公式サイトより引用

長崎といえば「ハウステンボス」を思い浮かべるくらい、ハウステンボスは有名な観光スポットです。

今では誰もが知っている観光スポットですが、ハウステンボスは開業してから18年間赤字続きでした。

ハウステンボスはオランダ村をイメージしており、国内で海外気分を楽しめるテーマパークとして登場したのですが、海外旅行に行く人が増えてくるとわざわざハウステンボスに行こうという人がいなくなってしまいました。

また、来場ターゲットを国内在住の東京方面の都市に住む人にしていたため、都市部に住む人は東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンなどの大きなテーマパークに流れてしまいがちでした。

そんな中、ハウステンボスを赤字経営から救ったのが旅行会社エイチ・アイ・エスの創業者である澤田氏です。

澤田氏はランチェスター戦略の実践者としても有名で、ハウステンボスをテーマパークではなく「都市」として発展させるべくランチェスター戦略を実践していきました。

長崎は海外との貿易も盛んだったため、ハウステンボスを一つの都市に仕立て上げ、ターゲット層を外国観光者に絞ったのです。

中国や韓国、アジアやからの来日者の多い長崎で、海外観光者向けに切り替えたのはとてもいい案でした。

ハウステンボスはすぐに黒字経営を達成し、今では国内でも人気の観光スポットとして運営しています。

ビジネスホテルで全国展開「アパホテル」

ホテル

アパホテルはどこにいってもその名のホテルを見かけるくらい、全国的に有名なビジネスホテルです。そんなアパホテルを大きくするために、実はランチェスター戦略が使われていたのです。

アパホテルは、元々注文住宅販売をしているアパグループがホテル業界に参入したのが始まりです。アパグループは石川県あり、石川県内でホテル事業の展開を始めました。

金沢市というエリアを攻略するために、まずは3点攻略法という目標エリアの周辺に拠点を設けて囲い込み作戦を行いました。

金沢市の東、西、北の3か所にアパホテルを建設し、集中してホテルを運営することでその土地の人達への認知度を高めていきました。

最終的に金沢市の都心部に建設した時には、アパホテルのブランド力は確立されていたので、運営もうまくいき大成功を収めました。

引き続き同じ戦略で東京都の千代田区や中央区、港区などの主要都市に集中的に進出することで、その知名度を全国的に広めていくことに成功しています。

アパホテルのすごいところは、エリア戦略のみにとどまらず、他のビジネスホテルとの差別化を図るために会員制度を導入しました。

アパホテルの会員になることで、アパグループが経営するアパホテルに宿泊するたびにキャッシュバックがあるという特典を付けたのです。

ビジネスマンは同じビジネスホテルに泊まるなら、より条件のいいホテルを選びます。そこで、アパホテルの会員制度の導入はとても効果がありました。アパホテルに泊まればキャッシュバックがされるので、ビジネスマンのリピーターが増え、安定した顧客となってくれました。

全国チェーンのコンビニエンスストア「セブンイレブン」

セブンイレブン

全国でも売り上げや店舗数はトップクラスのセブンイレブン。今では24時間営業のコンビニエンスストアを展開していますが、創業当時はスーパーマーケットとして始まりました。

セブンイレブンはランチェスター戦略のドミナント戦略を利用し、一つの地域に集中して出店を開始しました。

小さな地域で集中的に出店することで、そのエリアのナンバー1になることを目指したのです。

1996年から大阪でのドミナント戦略を開始した時に、その効果が現れました。

大阪の至る所に集中して一気に出店することで、大阪の人達にセブンイレブンの認知度を高めていきました。

当時ローソンが有名だった大阪だったのですが、セブンイレブンが急速に認知度を高めていくことで、あっという間にローソンを抜いて地域ナンバー1の座を獲得することに成功しました。

今でもセブンイレブンは、ドミナント戦略を用いて一点突破の方法で出店を続け、地域制覇を繰り返しています。

さいごに

大企業も最初から大企業だったわけではありません。

少ない資金から始め、コツコツと努力した結果として大きな企業へと成長しているのです。

ここで紹介したランチェスター戦略を実践して大企業になった企業はほんの一部にすぎません。

多くの企業がランチェスター戦略の方法を上手く活用できたからこそ、大企業に成長できたわけです。

ランチェスター戦略は個人事業主や中小企業向けの政策だと言われていますが、大企業でも忠実にランチェスター戦略をすることでさらに大きな会社に対抗しようとしています。

それだけ効果がある戦略なので、ぜひこれから事業を始めようと考えている人や、事業をしていてもなかなか伸びなくて事業が滞っている人は、一度初心に立ち返りランチェスター戦略をしっかりと勉強してみるといいでしょう。

ランチェスター戦略をしっかりと理解したうえで、効果的に実践していってほしいです。