大企業は資金規模も大きければ従業員数も多く、様々な面で有利です。
だからといって、中小企業は大企業に勝つことはできないというわけではありません。
中小企業だって、大企業に匹敵、もしくはそれ以上のものを手に入れることはできるのです。
しかし、中小企業が大企業と同じことをしてもいつまでたっても大企業を抜くことはできません。
中小企業は小さいなりのやり方があるのです。
中小企業でも大企業に負けない業績を上げるために、ランチェスター戦略というものがあります。
ランチェスター戦略を実践することで、中小企業は中小企業にしかできないことをして差別化していきます。
どのように差別化していけばいいのか、ここでご紹介していきます。
ビジネスにおける差別化とは
そもそもランチェスター戦略は、第一次世界大戦をモデルとして、少数の兵士を率いる小さな軍隊が、大人数の兵士を率いる大きな軍隊にいかようにして勝利するかを説いたものです。
その戦略が、マーケティングビジネスにも通じることがあるということで、中小企業においてのビジネス戦略に役立てるようになりました。
中小企業は、少数の兵士を率いる小さな軍隊に位置付けられています。
ランチェスター戦略を実践して、大人数の兵士を率いる大きな軍隊にあたる大企業に勝つということなのです。
大企業は世間的な知名度も高く、何もしなくてもそのブランド力で商品を販売することができます。
しかし、中小企業にはそのような知名度はありません。
中小企業が商品を販売するためには、その商品や自分たちに他にはない魅力を消費者に伝えなければなりません。
その魅力をどう伝えていくかが、ランチェスター戦略における「差別化」になるわけです。
どうやって差別化するの?
大企業に差をつけるために差別化を図るのですが、どのようにすれば差別化ができるのか知りたいですよね?
消費者に自分が売り込む商品を欲しいと思わせる方法をご紹介していきます。
品質や機能にこだわる
大企業が販売している商品と同じ機能、品質を持ったものを売ろうと思っても大企業のように売ることはできません。
それは、大企業にはすでに知名度とブランド力があるからです。知名度があれば、会社の名前だけで商品は売れます。
例えば、東芝のエアコンとアイリスオーヤマのエアコンがどちらも同じ性能で同じ値段だったらどちらを買いますか?間違いなく東芝を買うでしょう。
そのように、大企業には名前の信頼性もあるんです。
それなら、中小企業はどうすればいいかというと、より性能や品質にこだわればいいんです。
極端に言うと特許を取得できるくらいの機能があれば、それは他のブランドではまねできないものなので、あなたの商品は注目を集めるでしょう。
また、品質にもこだわって丁寧に仕上げていれば、無名のブランドでも評価は上がります。
大企業ではできない「こだわり」をもって、機能や品質にこだわるところに新たなファンがつくでしょう。
顧客を限定する
商品の機能や品質にこだわることも差別化を図る一つの方法ですが、顧客を限定することも効果的です。
より広いニーズに答えようとするのは、大企業の得意とするところであり強みです。
大企業の強みは中小企業が真似したところでうまくいきません。
販売したい商品は「誰」に販売したいのか、ターゲットを絞りましょう。ターゲットを絞ることで、顧客によりいい商品を厳選することができ、大企業よりも自分の商品に魅力を感じさせることができます。
例えばマッサージ器を販売しようとして、顧客を女性限定に絞ることで、女性特有の悩みに特化した機能や品質をそなえることができ、ターゲットである女性はこの商品に強く興味を示すはずです。
あまり大企業が狙わない消費者をターゲットにすれば、競争率も低くなり、商品の成約率にもつながります。
よりよいサービスを目指す
販売する商品によっては、品質や機能の差別化や顧客の限定が難しいものもあるでしょう。
そんなときは「価格」で勝負をします。
利益率がたとえ少なくても大企業よりも価格を下げれば、価格を重視する消費者の目に留まるはずです。
同じ性能や品質を持ったものなので、できるだけ安く購入したいという消費者は少なからずいるはずです。
価格で勝負するだけでなく、独自のサービスも展開していきましょう。
ここで買うことで特別割引が適用されるとか、ここで購入することでおまけがついてくるといったお得感を感じさせることで、成約率アップにつなげていきます。
商品購入後も、親切丁寧なアフターサービスを心掛けることで会社のイメージもアップし、他の商品が売れることにもなるでしょうし、リピーターにもなってくれます。
宣伝方法の独自性
大企業は、自分たちのブランドイメージを消費者に植え付けるために、テレビCMや新聞、雑誌、ラジオなどで大々的に広告を流しています。
このような方法は莫大な資金が必要なので、中小企業に真似をすることはできません。
しかし、中小企業でも自分たちのブランドイメージを発信したいことでしょう。
中小企業は中小企業なりの発進媒体があります。例えばインターネット広告です。
個人ブロガーの広告に貼らせてもらったり、会社独自でSNSを発信することで企業イメージは消費者に伝えることができます。
誰にも真似できないようなインパクトのある広告を発信することで、大企業に差をつけていきましょう。
お金をかけなくても宣伝が自由にできるのは、中小企業の強みかもしれません。
アイデア次第で会社の知名度は上がっていくはずです。
さいごに
ランチェスター戦略が、ビジネスにおいてどれだけ役に立っているかということがお分かりいただけたと思います。
中小企業だからと諦めるのではなく、中小企業だからできることがあるんだと自信をもって、大企業にはできない独自性で取り組んでいってほしいです。
大企業よりも中小企業の方が縛りが少なく、自由な発想で売り上げを伸ばしていけるはずです。
そして、商品を販売した実績は自分の自信にもなるし、会社の知名度にもなるのでやる気がどんどん出てくることでしょう。
大企業との差別化を図り、消費者の心を掴んでください。