マーケティングに不可欠な消費者行動モデル・AISASとは

インターネットの普及率が著しい現代では、消費者の商品・サービス購買時の行動が、昔に比べ、変化しています。

そのため、商品・サービスの「提供者」である企業と、購入者=消費者間の情報伝達の方法にも方向の転換が必要です。

そんな消費者の変化に対応すべく開発されたのが「AISAS」と呼ばれる消費者購買行動モデルです。

この記事では、インターネットのコミュニケーションが盛んな現代社会において、マーケッターには不可欠な知識と言える「AISAS」について解説します。

消費者購買行動モデル:AISAS(アイサス)とは

現在のように、インターネットが発達していない1900年代には、AIDMA (アイドマ)と呼ばれる消費者購買行動モデルがマーケッターの間に広く普及していました。

AIDMA (アイドマ)の法則とは

◎Attention(注意・認識)→与えられた情報を見て、商品を認識する

◎Interest(興味)→商品に対し、興味・関心を覚える

◎Desire(欲求)→商品が欲しいと思う

◎Memory(記憶)→商品の名前を覚える

◎Action(行動)→商品を購入する

AIDMA (アイドマ)は、このような流れの読者の購買行動の頭文字取ったものです。

このモデルは、の4大広告(新聞広告、雑誌広告、テレビCM、ラジオCM)が主流だった時代には、マーケッターがこぞって利用していたのです。

AIDMA (アイドマ)→AISAS(アイサス)へ

しかし、2000年代に入り、消費者の購買行動は変化していきます。

消費者はもはや情報が与えられるのを「待つ」事を止め、自分から情報を「探す」ようになりました。

この消費者の変化に対応して開発されたのがAISAS(アイサス)です。

AISASとAIDMAの相違点

ポイント

AISASは、AIDMAと同じように5つの消費者行動の頭文字からとった言葉で、

  • 「Attention(注意・認知)」
  • 「Interest(興味)」
  • 「Search(検索)」
  • 「Action(行動)」
  • 「Share(共有)」

で構成されています。

それではAISASを利用したマーケティングの流れを見ていきましょう。

Attention(注意・認識)

WEBサイトやSNS、口コミサイトを通じて、消費者は商品やサービスを始めて認識します。

消費者に商品を「認識」してもらうための方法は、まずは消費者の「注意」を引かなければなりません。

このステップでは、広告を作成し、多くの消費者の目に「商品」がとまるようにオンライン、オフラインを問わず、できる限りたくさんのメディアに広告を出稿するのが理想的です。

Interest(興味)

商品の広告を目にした消費者は、自分の好みに合う、あるいはニーズに合う商品に対して興味や関心を持ちます。

オンラインで商品を販売するのであれば、LP(ランディングページ)を作成し、商品画像や使用方法の動画等も用いて、商品のメリットやベネフィットを消費者にアピールします。

オフラインでも、商品が魅力的に映る写真や文章を掲載しましょう。

消費者が「この商品は自分が欲しいタイプだ」「この商品を使ってみたい」等、消費者の「購買意欲」をいかに刺激できるかどうかが、このステップのポイントになります。

ここまでは「AIDMA」と同様の流れでしたが、この後のSearch(検索)とShare(共有)は、「AISAS」独特のステップです。

Search(検索)

Interest(興味)のステップで商品に興味を持ったので、即商品を購入する消費者もいるでしょうが、大方はその商品の「検索」を始めます。

WEB見た商品がいかに魅力的に映ったとしても、実際の商品が目の前にあって、触ったり、大きさを確認できるわけではありません。

そこで、「この商品は、使いやすいの?」「実際の色やサイズ感?」「商品の効能通りの効果は期待できる?」等、さまざまな疑問点をすでに購入した消費者の口コミ等を探して参考にします。

そこでよい評価が多ければ、納得した消費者は次のAction(行動)を起こします。

Action(行動)

検索した結果、商品・サービスを「購入してもいい」と判断した消費者は、ここでやっとAction(行動)=商品を購入します。

Share(共有)

Action(行動)後、商品を利用した消費者は、その感想を商品を購入したWEBショップの「口コミ欄」等に書き込みます。

Search(検索)して、この口コミにたどり着いた新規の消費者が、商品の評価がよければ、Action(行動)へと進む可能性は高いでしょう。

つまり、商品の評価がよければ、Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)→Search(検索)と、ループを繰り返します。

購入したショップだけでなく、SNSやブログでも共有されるようになりますので、今後の商品の売れ行きにも大きくかかわる重要なステップです。

最後に

インターネットが普及した現代ではWEBを利用したマーケティングが不可欠です。

「AISAS」は、そんな時代にフィットしたマーケティング戦略の一つです。

マーケティングに関わる方なら、この記事で、是非理解を深めて下さい。